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    田中先生産休入りと院長一人による診療について

    3月9日より、田中先生は予定をやや早めまして産休にはいりました。
    大変ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解の程宜しくお願いします。

    また、3月10日より15日までは南先生が冬期休暇を取得するため、南先生の診療は休診いたします。
    田中先生の産休と重なるため、3月10日より15までは院長一人の診療となります。
    予めご了承ください。

    2014.03.09

    投稿者: くらた動物病院

  • blog01

    3月3日(月)、25日(火)倉田院長休診のお知らせ

    3月3日月曜日と3月25日火曜日の両日、倉田院長は臨時休診いたします。
    両日とも終日田中先生と南先生の診療となります。
    大変ご迷惑をおかけいたしますが、予めご了承ください。

    2014.02.28

    投稿者: くらた動物病院

  • blog01

    田中先生産休入りのお知らせ

    4月21日より田中先生は約一年間余りの産休に入ります。
    ご迷惑をおかけいたしますが、予めご了承ください。
    また、後任の獣医師として菊池獣医師が3月中旬より勤務を開始します。
    宜しくお願いいたします。

    2014.02.28

    投稿者: くらた動物病院

  • blog01

    メスのウサギの避妊手術の重要性について

    メスのウサギを飼育する場合において、避妊手術を実施することは極めて重要であると考えます。

    避妊手術(当院においては卵巣子宮全摘出術を実施します)は、犬猫の場合には極めて一般的な手術となっており、犬猫に対して避妊手術を行うことを飼い主様が選択することは、飼育する上での常識となっていると言っても過言ではありません。
    一方で、ウサギの場合には、現在においても避妊手術の選択は一般的にはなっていないのが現状です。

    この理由はいくつかあると思いますが、一つはウサギの避妊手術を実施する獣医師がまだ少数であるということが挙げられると思います。結果として、獣医師の側からのウサギの避妊手術についての啓蒙が手薄になっているかと思われます。この点につきましては、当院などのウサギを積極的に診療する動物病院がこれまで以上に情報を発信する責務があると思います。

    次に、飼い主様の側において避妊手術に対する危険性に対する必要以上の危惧があるのではないかと思います。当院でも『麻酔をかけたらウサギは死んでしまうのではないか』とか、『開腹手術自体に耐えられないで死んでしまうのではないか』などの話しを飼い主様から伺うことが多々あります。

    少なくとも当院においては、避妊手術のウサギに対する危険性と犬や猫に対する危険性に差は認められません。2004年の開業以来死亡事故はゼロです。

    私が声を大にして強調したいことは、ウサギの避妊手術は、危険性が同等の犬猫と比較して、その重要性、必要性が極めて高いという点にあります。

    その理由は、中高齢期になったメスのウサギには、子宮や卵巣の主に腫瘍性疾患の発生率が極めて高率に認められるということが挙げられます。具体的には、6歳のウサギの6割から7割に子宮腺癌や卵巣腫瘍などの腫瘍性疾患が発生しているというデータがあります。これは犬猫の場合を遥かに上回る高い確率です。
    私の経験でも、ある期間に3歳から6歳のウサギを避妊手術した結果、その90%以上に子宮卵巣の疾患が見つかりました。しかもこれらのウサギはすべて外見上健康であったのです。
    これだけ高率に発生するウサギの子宮卵巣疾患の怖い点は、ある程度進行するまで外見上は健康に見えることにあります。直径2~3センチの腫瘍が発生していることも珍しくはありません。
    また、ある程度腫瘍が発達した結果として発症する際には、激しい出血を伴うことが多いことも強調すべきであると思います。
    多くの場合には子宮内部に出血が発生して、外陰部からの出血として認められます。しかも、排尿と共に血液が排泄されるため、膀胱からの出血である血尿との区別が困難である場合もあります。
    特に子宮からの出血が軽度である場合には、区別はさらに困難となります。子宮からの出血であれば早期の手術が必要ですが、血尿であれば通常は内科的治療が優先されるため、手遅れとなる前に極めて困難な判断が必要となります。
    実際に、過去には来院時には既に出血多量のため手術も不可能な状態となっていた症例もありました。

    このように、ウサギの診療の現場において、余りにも多くの子宮卵巣疾患の症例を診る機会があるため、メスのウサギの飼い主様には生後1年以内の卵巣子宮摘出術の実施を強くお勧めしている次第です。
    1年未満とする根拠は、手術に際しての技術的問題が理由であり、基本的には二歳でも三歳でも十分に意味はあると思います。極論を言えば、子宮卵巣に病変が発生していても、出血などの重篤な臨床症状が発生する前であれば手術をする意義は極めて高いと考えます。
    技術的問題とは、生後一歳を超えると多くの場合においては腹腔内に脂肪が急激に多量に沈着する傾向がウサギにはあるためで、その結果として子宮や卵巣が探しにくくなり、なおかつ摘出しにくくなることが理由です。この問題に関しては、ウサギの避妊手術の経験の豊富な術者が慎重に手術をすれば何の問題も無く解決できますが、手術時間はやや延長します。
    私としましては、脂肪沈着の少ない生後6ヶ月頃をお勧めしています。

    これまでのところ、当院においてはウサギの避妊手術が原因の死亡事故は発生しておりません。
    麻酔に関連した死亡リスクはゼロではありませんが、犬猫の避妊手術と同等であると判断しております。特にウサギの麻酔に関しては、呼吸管理が非常にシビアである点は犬猫の手術以上の注意が必要であることは事実です。この点については、声門上気道確保デバイスと呼ばれる器具を用いることで、以前のマスクによる麻酔法と異なり気道確保を確実に実施できるため、安全性が非常に高くなっています。また、800グラム台の小型のウサギであっても、体温や心電図はもちろん動脈血酸素飽和度や血圧、換気状態など各種測定項目をモニターすることにより麻酔中の安全の確保に努めています。
    また、手術後において、手術創の糸を自分で齧る場合がありますが、この点に関しては吸収性の縫合糸を皮下組織内に埋没させる皮内縫合で対処することでほとんどの場合は解決できます。
    当院では多くの場合には皮内縫合を実施しています。皮下組織が非常に薄いウサギの場合には通常の縫合法を実施します。金属製のステープラーと呼ばれる皮膚縫合用の器具を用いて縫合糸を使わずに縫合する場合もあります。
    極めて稀に、皮内縫合を行っても手術創の皮膚そのものを齧る場合があり、この場合にはエリザベスカラーの装着によって解決しています。ただし、カラーの装着はストレスが多く、食欲などの状況を見ながら最小限の期間の装着にしています。
    以上の通りのネガティブな点は存在しますが、手術をするメリットのほうが遥かに高い状況であることは間違いありません。

    繰り返しになりますが
    メスのウサギには、生後6カ月頃に避妊手術(卵巣子宮摘出術)を受けていただくことを強くお勧めいたします。

    2014.02.26

    投稿者: くらた動物病院

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    2月11日院長休診のお知らせ

    2月11日(火曜日祝日)は、院長の診療は休診とさせて頂きます。
    田中先生と南先生が診療を担当致します。
    大変ご迷惑をお掛け致しますが、予めご了承ください。

    2014.01.28

    投稿者: くらた動物病院

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    1月13日院長休診のお知らせ

    1月13日(月・祝)は、院長の診療は休診とさせて頂きます。田中先生、南先生の診療は通常通りです。
    ご迷惑をお掛け致しますが、予めご了承ください。

    2014.01.11

    投稿者: くらた動物病院

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    年末年始の休診のお知らせ

    くらた動物病院は、12月30日から1月3日までの5日間を休診と致します。
    今年最後の診療日である12月29日は日曜日のため午前中のみの診療となります。
    来年の診療開始日である1月4日土曜日からは通常通りの診療となります。
    ご迷惑をお掛け致しますが、予めご了承ください。

    2013.11.07

    投稿者: くらた動物病院

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    11月5日臨時休診のお知らせ

    11月5日火曜日は、スタッフ研修のため臨時休診致します。
    大変ご迷惑をおかけ致しますが、予めご了承ください。

    2013.11.04

    投稿者: くらた動物病院

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    11月4日月曜日 院長休診のお知らせ

    11月4日月曜日(祝日)は、院長の診療は休診と致します。田中先生、南先生の診療は通常通り行います。
    大変ご迷惑をおかけ致しますが、予めご了承ください。尚、祝日のため午前中のみの診療となります。

    2013.11.03

    投稿者: くらた動物病院

  • ferret

    インスリノーマ

    中高齢期のフェレット(約4歳以上)には、血糖値が低下する疾患が多発する傾向が有ります。この病気はインスリノーマと呼ばれています。当院では、文献などに基づきフェレットの血糖値が70mg/dl未満の状態を病的な低血糖症と定義しています。

    4〜5歳以上の中高齢期のフェレットは、健康体であっても日常的な活動性が若い頃よりも低下し、何時も寝てばかりいる場合も見られますが、低血糖症による活動性の低下であっても、外見上の区別はなかなか困難です。
    中高齢期になってからの健康診断で、一般身体検査では異常が見られないフェレットの血液検査において低血糖症が発見される場合も多く見られます。この様な、無症状に見えるフェレットの血液検査において低血糖症が発見される機会の多さを考えると、潜在的に低血糖症を抱えている中高齢期のフェレットは非常に多くいるのではないかと思われます。

    症状
    フェレットの低血糖症の症状は、二つのグループに分けられます。
    一つは血糖値の低下の中枢神経系への作用となります。中枢神経(脳や脊髄)はブドウ糖しかエネルギー源として利用できません。そのため、血液中の血糖値が一定水準以下に低下すると中枢神経組織の機能低下が発生します。これにより、意識混濁や意識消失が発生します。場合によっては中枢神経障害による痙攣発作が発生する場合も有ります。
    意識混濁が極軽度な場合には、活動性の低下や後肢のふらつきとして発見される場合も多く見られます。
    何となく近頃のフェレットの活動性が数ヶ月前と比較して低下しているように見えたり、特に後ろ足の踏ん張りが利かなくなっていたり、寝起きの初めの頃の歩き方がふらついていたりした場合には、老化現象ではなく低血糖による症状と考える方が良いと思います。

    もう一つの症状は、低血糖に誘発された交感神経の異常な興奮によって引き起こされる症状です。血糖値が低下すると、体では血糖値を上昇させる仕組みが作動します。その引き金を引くのが自律神経の一つである交感神経となります。交感神経の興奮によって血糖値を上昇させる様々なメカニズムが作動し、血糖値を上昇させようと体は頑張ります。しかしながら、この興奮が過度に成り過ぎると、心拍数の異常な上昇をはじめ、呼吸数の異常な増加(呼吸速迫)、パッドなどを含めた全身の皮膚の発赤、ヨダレの増加、等々全身が異常な興奮状態となり、ぐったりとした虚脱状態となって発作様の症状を示す場合が有ります。

    診察室で診療していると、フェレットの低血糖症には二つの不思議な特色が見られます。
    一つは、極めて重度の低血糖状態であっても、殆ど症状が出ていない場合が見られることです。数字としては30mg/dl程度の重度の低血糖でも安定していることが見られます。
    外見上健康に見えるフェレットの健康診断目的の血液検査でこのような重度の低血糖を発見することも珍しくはありません。また、低血糖に対する投薬治療を行っている中で、治療に対する反応が乏しくなった状態の結果としてこのような重度の低血糖状態が常態化する場合もありますが、そのような場合においても臨床症状は安定していることがしばしば見られます。このようなフェレットは、一日のうちで時間を空けて複数回血糖値を測定しても常時30mg/dl前後を記録します。本来であれば中枢神経症状が発生しても不思議ではない数字ですが、フェレット自身は何食わぬ顔で平然と生活しています。人でも無症候性低血糖(無自覚性低血糖)として記載されており、この場合には、明らかな低血糖症状を表に出さず、本人も自覚症状なしに生活している中で、突然意識喪失を来すとされております。フェレットでも同様の症状を発生するのかは確認できておりません。

    もう一つは、自宅で突然激しい発作を発症して病院に担ぎ込まれたフェレットの血糖値は必ずしも重度の低血糖ではないことが多いという点です。多くの場合には50mg/dlから
    60mg/dl前後のことが多いです。70mg/dl未満から低血糖症と定義していますので、数字的には軽度の低血糖症となりますが、自宅での発症時の症状は非常に激しい重度の症状であることが多いようです。もっとも、来院前に飼い主様が応急処置としてフェレットバイトや砂糖水などを投与している場合も多いので、必ずしも発症直後の血糖値と測定した血糖値が同じとは限りませんが、これらの多くは治療開始後も血糖値はそれほど下がらないことが多い傾向が有ります。

    一番目にご紹介しました重度の低血糖にも関わらず平然と生活しているフェレットについては、人のインスリノーマの患者さんにも発生すると言われている、低血糖への中枢神経系の『慣れ』が発生することが理由とされています。先にも述べた無症候性低血糖であり、人では本人の自覚がないまま突然の意識喪失を来すため社会生活状の危険性が高いとされています。
    二番目にご紹介しましたケースは、普段からそれほど低い血糖値でないインスリノーマに罹患しているフェレットが、急激な血糖値の低下(例えば、80~90mg/dlから50mg/dl前後まで下がるなど)が発生した場合に起きる臨床経過であると考えられます。恐らく交感神経の過剰な興奮が背景にあると考えられます。
    このように考えれば、激しい臨床症状の割に来院時の血糖値がそれほど低くないことの説明がつきます。

    その他、健康診断の際の血液検査で低血糖が発見された際のフェレット多くには、体重減少が見られます。飼い主様は食欲不振などの気になる症状は無いと思われていても、急激ではなくゆっくりとした体重減少が発生していることが多いようです。恐らく、活動性の低下によって食餌を食べる時間が短くなり、結果として一日のうちに食べるフードの量が若干少なくなってしまうことがゆっくりとした体重減少の原因ではないかと思われます。

    発症原因
    フェレットの低血糖症の事実上全ては、膵臓に発生したインスリノーマと呼ばれる腫瘍が原因となります。
    膵臓に存在するβ細胞と呼ばれる細胞が腫瘍化したものがインスリノーマです。
    膵臓のβ細胞は血糖値を低下させる作用のホルモンであるインスリンを生産する細胞です。そのため、腫瘍性に増殖したベーター細胞からは過剰なインスリンが生産されてしまいます。この過剰なインスリンが低血糖を引き起こします。
    糖尿病の患者さんがインスリンの注射を誤って多く注射し過ぎた場合と似ていると思われます。しかも、この過剰な状態が持続的に発生しますので、低血糖状態が慢性化します。

    治療
    くらた動物病院においては、フェレットのインンスリノーマの治療に関しては内科的治療を優先し、インスリノーマを摘出する外科的治療は殆どの場合には行っていません。
    内科的治療に関しては、ステロイド剤(プレドニゾロン)の内服を実施します。
    プレドニゾロンには、肝臓においてブドウ糖を生産する糖新生作用を促す働きや、インスリンの効果を発揮しにくくさせる作用などによって、血糖値の上昇をもたらす効果があります。また、人のインスリノーマの治療にも用いられるジアゾキシドという薬も使用薬剤の候補と成ります。この薬はインスリンの産生そのものを抑制する働きがあります。
    当院においては、文献に基づき、先ずはプレドニゾロンの投与から開始し、病状の推移に応じてジアゾキシドの併用を開始します。当院においての治療経験上からも、ジアゾキシドの作用には個体差が多く見られるため、安定した確実な効果を期待する必要性が高い低血糖の治療においては、ジアゾキシドよりもプレドニゾロンの方が確実性が高いと考えております。
    外科的治療に関しては、膵臓に発生しているインスリノーマの切除を実施することになります。当院における手術経験では、多くの場合においては肉眼的に発見可能なインスリノーマは膵臓の表面に1mm~2mmの小さなドーム状の腫瘍として認められます。この腫瘍を周囲の正常な膵臓組織から剥離して摘出します。摘出時の腫瘍の形態は球状です。
    この方法の場合には、肉眼的に発見可能な腫瘍を全て摘出しても、手術後において血糖値が正常化しない場合も多く見られます。特に、手術直後には血糖値が上昇しても、その後数日から数週間で再び血糖値が低下している場合が多く見られます。血糖値の正常化を目的とした手術としては、その治療成績は極めて悪いと思われます。
    勿論、術後に長期間に渡って血糖値が正常値を示す症例もありますが、少数派であると考えます。
    この原因は肉眼的に発見可能な腫瘍病巣以外にも多数の非常に微細な病巣が膵臓組織中に潜在している為であると考えられます。
    文献的には膵臓の一部を潜在的に存在する腫瘍ごと広範囲に切除する方法などが紹介されておりますが、当院での実施例はありません。
    以上の通りの理由によって、当院ではインスリノーマを外科的に摘出する手術は基本的に実施しておりません。
    ただし、他の疾患が理由による開腹手術の際にインスリノーマが発見された際には、摘出を行っております。その際の治療成績は上記の通りです。

    予後
    インスリノーマが原因の低血糖は、持続的に増殖する腫瘍が原因であるため、原則的には病態は進行性の疾患です。経過時間とともに血糖値の低下傾向は強まります。
    しかしながら、一方でインスリノーマに罹患したフェレットの予後は、個体によっての差が非常に多く認められる事も事実です。
    どのフェレットも血糖値は時間経過とともに低下傾向を示しますが、数週間で急激な低下を示す場合も稀にある一方で、半年、1年経過しても殆ど同じ血糖値を示している場合も有ります。

    大多数の場合においては、インスリノーマは投薬によって安定した良好な生活の質を維持することの出来る、長期間のケアーの必要な慢性疾患と捉えることが出来ると思います。

    進行の度合いに応じてステロイドなどの投薬量の調整を随時行います。
    その際に当院で重視していることとしては、あくまで臨床症状の状態に応じた投薬量の調整を重視するということです。
    検査数値が低下を示していても、臨床症状が安定していれば投薬量を増量しない場合も多々有ります。また一方で数値上の変化は微小でも、明らかに臨床症状の悪化が見られた場合には、投薬量の増量を検討しています。
    当院の方針としては、外見7割、数値3割での病状の評価と言えると思います。

    2013.10.28

    投稿者: くらた動物病院